運動と脳の関係

運動することで認知症改善!

脳にとって最高のエクササイズとはクロスワードパズルや読書といった知識を入れる事と思われがちでしょうが、実は身体を動かすことだという。身体を動かすと、気分が晴れやかになるだけでなく、あらゆる認知機能・記憶力が改善し、注意力が研ぎ澄まされ、創造性が高まる。

それどころか知力にまで影響が及び、脳にとって最高のエクササイズにちがいない。と、「運動脳」の著者(アンデシュ・ハンセン))は述べている。さらにそれを一精神科医や様々なエキスパートたちが研究により、運動が認知機能に作用することを立証する論文が、次から次へと発表されている。

運動は不安障害やうつ病のリスクを減らすだけでなく、それらを治療する手段として抗うつ剤やセラピーに匹敵する効果があり、その事実はもはや動かしようがない。科学的な裏づけによる観点から、運動を重要な治療法と考えている。

人間の身体は動くためにできている。そして、運動はスポーツを上達させるためだけのものではない。運動するといっても、負荷をかけ過ぎるイメージではなく、庭いじりや散歩、通勤するときは車を使わずに自転車を使うなど、どんなことでも有効であり、その一歩一歩が脳にとって価値がある。
いつ、どこで、何をするかは大した問題ではない。

いくつかの大規模な研究によると、日頃より運動の習慣があると、新型コロナウイルスに感染しても入院して集中治療を受けるリスクが約50%減るという。重症化のリスクが半減するのだ。運動しているからといってウイルスに感染しないわけではないが、感染したとしても重症化したり亡くなるリスクが減るのである。
運動は、糖尿病や心血管疾患、乳がん、結腸がんのリスクも減らす。予防効果があるからといって、すぐに運動をはじめよう!という気には中々なれないかもしれませんが、軽度の運動でもいいので始めてみませんか?

運動が認知症に与える影響とそのメカニズム

  1. 血液循環の改善
    運動によって心拍数が上がり、血液循環が促進されます。これにより、脳への酸素や栄養の供給が増え、脳の機能が改善されます。
  2. 神経細胞の保護
    運動は神経細胞の成長を促進し、神経細胞の保護にも役立ちます。特に、有酸素運動は脳の神経細胞の成長因子を増加させ、神経細胞の生存と機能を改善します。
  3. 炎症の抑制
    運動は炎症を抑制する働きがあります。認知症の一因とされる炎症を抑えることで、脳の健康を保つことができます。
  4. 認知機能の向上
    運動は認知機能の向上にも効果があります。運動によって脳の神経回路が活性化され、記憶力や注意力、判断力などの認知機能が改善されます。

具体的な運動方法としては、有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)や筋力トレーニング、バランストレーニングなどが挙げられます。適度な運動を継続することで、認知症の進行を遅らせる効果が期待できます。ただし、個々の状態や能力に合わせた適切な運動プログラムを作成することが重要です。医師や専門家の指導を受けながら、安全かつ効果的な運動を行うようにしましょう。